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季刊エスVol.81読了感想と掲載告知

  • 執筆者の写真: 削木
    削木
  • 2023年3月22日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年4月13日




ご無沙汰しております、管理人の削木です。 温かくなって東京でも桜が開花し始め、春が近づき、花粉症も猛威を奮い大変な時期ではございますが、皆様如何お過ごしでしょうか。 さて、早速ですが、3/15に季刊エス最新号Vol.81が発売されたので、読了感想と掲載告知でございます! 相変わらず自分の偏読した感想なので感想が偏っております。また、普通に記事の内容について書かれてるので未読の方はネタバレご了承くださいませ。 今回は「あいくるしい」がテーマということ愛くるしいちっちゃなキャラクターたちや可憐な女の子たちの作品特集がラインナップされております!そして表紙は博先生が担当!テーマが「あいくるしい」なだけに、潤んだ眼でこちらを見つめる視線、カールした睫毛やサラサラの亜麻色の髪、柔らかな肌の白さが女の子の「あいくるし」さを絶妙に再現しており、こちらの視線を掴んで離さない一枚絵となっております。片手の黒手袋も個人的にフェチなので視線を奪われました…!


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メイキングも今回アナログなだけに手元と筆さばきに目が惹かれてしまいました。マルチライナーと鉛筆で加筆した主線、水張りされた水彩紙に水彩で重ね塗りしていく手法は目を張るものがあります!是非本誌で拝んでみてください。 博先生のインタビューで語られて個人的に自分が面白いなと感じたのがアナログとデジタルの執筆についての先生の考え方でした。アナログは失敗できない難しさもあるけど作品はどんどん完成されていく一方なので描き進めていくしかない、デジタルはやり直しがきくけど描いてるうちに「2枚目に取りかかった方が早くないか?」と思うことがあるとのこと。確かにデジタルは何度も手直しができるけど完成が見えにくくなる点もある、というのは腑に落ちましたし、何よりアナログは進めるだけで完成というところが時間と労力のコストを冷静に捉えてて作品制作に関して身が引き締まる思いでした。また、先生は絵描きをやっていなかったらは生物の研究者になっていたとのこと。小さい頃からアルブレヒト・デューラーの描いた翼の素描や生物図鑑の正確に描かれた細密画が好きでよく眺めていており、そこから大人になってからはアニメに触れる機会が多くなり、漫画を描く仕事に興味を持って今に至るようになったそうです。 先生の美少女キャラのこの緻密な描き込みや繊細な描線は、先生が幼い頃から追いかけてきたものが原点になってるのかもしれません。


そしてテーマ「あいくるしい」だけあり、「ちいかわ」のナガノ先生を始めとするディフォルメキャラの作家様のインタビュー特集や「いちごましまろ」のばらスィー先生の漫画を描くに当たっての制作裏話など、充実したコラムが沢山載っています!先生方が何に惹かれ、何を元に世間でメジャーに「あいくるしい」と感じるキャラクターや話が如何にして生まれたのか、そのルーツを追ってみても楽しいかもしれません。


イラストメイキングも今回もアナログ、デジタル共に目が離せません! くま先生のコピックメイキングマルチライナーで柔らかくシルエットを描いた後に淡い色を徐々に乗せていったのでふんわりもこもこの質感が出ておりました。

Bryce Kho 先生の呉竹アートカラーのイラストも鮮やかな色同士の重なり合いが光と影のコントラスト、キャラクターの毛並みやハイライトの眩さを生み出しております。


白咲まぐる先生のデジタルイラストメイキングも見応えがあり、なんとアナログの主線とデジタルの主線を組み合わせてデジタルで彩色してるとのこと!デジタルでしかない滑らかさとアナログにしかない抑揚のあるペンタッチが繊細な衣装の装飾や人物の輪郭に活かされており、ため息が出ました。仕上げにもザラッとした細目の画用紙のテクスチャを重ねているとのことで自然に見せる仕上がりになっているそうです。最近アナログ線画とデジタル彩色の併用を自分も増やしてきたので次回イラストの技法として取り入れてみようかと。 田中奨賀先生の赤ペンキャラクター講座も読んでいて大変勉強になりました。 特に細かいものを入れ込みすぎて見せたいものが埋もれてしまう悩みやそのためには何をどれぐらい入れたらいいのか、画面を占めるモチーフ配置の引き算が大事だとおっしゃっていました。自分も大好きなものを詰め込んで描いてしまう症候群の持ち主なのでこればかりは自分も反省の繰り返しでした。ラフの段階でモチーフごとにざっくり色を塗ってグループ分けして画面全体を確認すると良いという方法は目から鱗でした!次もイラスト描くときに実践しようかと。

StarSは今回も投稿者様からの力作が勢ぞろい! 今回自分も『卯年!』のイラストを恐れ多くも掲載させて頂きました!ありがとうございました!

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全体のイラストを見てみると、自分の作品も含め執筆期間が年末年始だったからなのかはたまた春の先取りなのか、ウサギをモチーフにした作品が多く見られました。今年の干支、不思議の国のアリス、雪ウサギ、イースター……今回の季刊エスのテーマも『あいくるしい』だったのでふわふわまんまるでぴょんぴょん飛び跳ねるうさちゃんは今号にピッタリのモチーフだったと言えますね。

SpaceSも美しいイラストや漫画、投稿者様からのメッセージで賑わいを見せており、投稿者様の日頃感じてることをゆっくり拝むことができました。作品を楽しむのももちろんですが、こういう綴られたメッセージを読むのもまた楽しみの一つであり創作意欲をかきたてられます。





ちょっとした挨拶を。



卒業生の方、ご卒業おめでとうございます。 退職者の方、今までお勤めご苦労様でした。そしてお疲れさまでした。

そうでない方々も、本年度残すところあと少しです。ここまでよく頑張ったと思います。

突然の季節の変わり目や年度の変わり目で慣れないことがこれからまた増えるかもしれませんが、無理せず今まで積み重ねてきたことも大事にしながら一歩一歩進んで行きましょう。

次にブログを更新するのは、スモールエス最新号の読了感想かと!



……実はとある展覧会に向けて作品制作をしているのですが、それはまた後ほど。

進捗だけちょっとお見せしたいと思います。この背景のモチーフが実は展覧会の副題にちなんでいたりします。


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またどこかでお見かけしましたら、よろしくお願いします。 ではでは! 2023.03.22  削木



 
 
 

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©2020.06.01 削木

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