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スモールエスVol.74読了感想&掲載告知

  • 執筆者の写真: 削木
    削木
  • 2023年7月29日
  • 読了時間: 9分

更新日:2023年7月30日

こんにちは、管理人の削木です。



最高気温が40度を記録して災害級の暑さとなった今年の日本の夏ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか…!しっかり塩分・水分・睡眠をとって、エアコンをしっかり点けて熱中症から命を守りましょう。



さて、早速ですが前回予告したSS(スモールエス)Vol.74の掲載告知と読了感想です!

いつも通り自分のピックアップした記事多めなので相変わらず偏読っぽい印象ですがご了承願います。未読了の方はネタバレご注意願います!




今回表紙を担当してくださったのはイラストレーターのWOOMA先生!男の子の名前は「ツグくん」という名前だそうで、いたずらっぽく楽しそうにカメラをかまえるようなポーズが印象的です。ヤンチャで元気なキャラクターが画面いっぱいに伝わってきます。



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デジタルツールCLIP STUDIO PAINT EXを使ったメイキングも見どころ満載です!パーツごとに色分けをして遠近感を出したり手のひらに青紫を少し足して透明感を出したり頬に赤みを足して血色を良くするなど、キャラクターの存在感を出すために工程の一つ一つに意識した工夫がなされていました。クリスタEXは私もデジタルイラストで愛用しているツールであることや最近人物のアップのイラストを練習中なので取り入れたいテクニックがいくつかありました。次回イラストを描くときに取り入れてみようかと。


WOOMA先生はAdoさん歌唱、ボカロP・syudouさん作曲の大ヒットソング『うっせぇわ』のMVを手掛けたイラストレーターさんであり、ボカロP・柊キライさんの楽曲「エバ」「オートファジー」「ボッカデラベリタ」などの楽曲のMV、音楽ユニット「BIN」や煮ル果実さんの楽曲MVの制作にも携わってきました。インタビューのコラムを読んでみるとキャラクターを描くときに楽しいのが表情と手だそうで、WOOMA先生が手掛けた動画からもキャラクターの力強い表情やポージングから強烈なインパクトを与えられるのも納得です。


自分の絵を公に出したのはうごメモが初めてだそうで、そこで発表した動画がきっかけでボカロの楽曲やMVに触れることが多くなり、りゅうせーさんやしづさん、わんにゃんぷーさんなど様々な動画制作者様から影響を受け色んな動画作品を作ってみたいと思うようになったそうです。「カゲロウプロジェクト」からの影響も多大だったとのこと!インタビューによるとMV制作の際はキャラクターを先に作っておくと作業が進みやすかったり楽曲を聴いてからイメージを膨らませることが多いため場面や構図が先に浮かんだりすることが多いそうです。キャラを設計してから動画の流れを作ったり構図や場面が浮かんだりするこの工程は好きな場面からストーリーを練って作り上げる漫画制作と工程が似ているなあと個人的に感じました。


他所の方から頂いた楽曲という芸術作品を動画のという別の芸術作品で己の手で落とし込んで作るというのは本当にお互いのイメージの擦り合わせもお互いのリスペクトもなければできないことなので、自分の作画技術の研磨やキャラクター設定や作品制作の情熱はもちろんですが、他所の芸術家様に敬意を払いつつ制作に携われている謙虚な姿勢もWOOMA先生の強みなのかなとコラムを読んで実感しました。今後Vtuberのキャラクターデザインにも挑戦したいそうなので、キャラクターの個性を高インパクトに出せるWOOMA先生なら打ってつけのお仕事ですね!もし先生の手掛けたVtuberをお見掛けしたら今後推していきたいです!





WOOMA先生の表紙イラストメイキングだけでなく、今回もスモールエスの絵師様のメイキングも見逃せません!


時雨先生の透明水彩絵具のメイキングは三種類のメーカーの水彩絵具の活用法にご注目!下塗りにはシュミンケのウルトラマリンファイネストやパーマネントカーマインを使用して紫を作りコクと深みのある影を、人物の肌の淡く優しい色合いにはクサカベの水彩絵具を敷き、宝石や花、瞳の中など煌めきや鮮やかな色を出すときにはホルベインの絵具を混色したり重ね塗りすることで透明感とライティングを際立たせてます。画材が同じでもメーカーの異なる絵具を用途に応じて使い分ける手法は目から鱗でした…!


梨玖先生のコピックメイキングは淡い色の塗り重ねによる優しい色合いによるふんわりした印象と果物やワッフルなどの甘いお菓子の質感表現が魅力的!細かい模様やツヤの描き込みによるイチゴやバナナの瑞々しさや薄茶色の重ね塗りによるワッフルのこんがりした焦げ目の表現はワンランク上のイラストを目指すテクニックとして取り入れたいものです!


夏目レモン先生のレンブラント固形水彩の滲みと混色による花の塗り方は息を呑む美しさです!水彩の深みが、人物の肌の白さも口紅やリンゴの赤を鮮烈に際立たせてます。


水彩色鉛筆やデジタルツールなど様々な画材で多彩な世界のイラストを作り上げる古島紺先生は今回呉竹の「クリーンカラーリアルブラッシュ」というマーカーのメイキングを紹介。リアルブラッシュで直接塗って鮮やかな差し色を加えたりパレットにとって水筆で伸ばして淡いグラデーションを作ったりと要所に応じて様々な使い方を紹介してくれました。ブレンダーで色を伸ばしたり穂先で細部を表現したり、コピックのような彩度の高い色から水彩のような優しい色合いまで出せるのがリアルブラッシュの強みということがよく分かります。古島先生は水彩色鉛筆メイキングで敬愛してしているイラストレーターさんなので、今度リアルブラッシュも買ってアナログイラストに取り入れてみようかと思います。単純ですが。



アナログ画材だけでなくデジタルツールも見逃せません!今回紹介して下さるのは村カルキ先生!蛍光イエロー一色の派手な背景にフレッシュなフルーツやサングラスのトロピカルカラー、水滴の飛び散る動きが元気をくれる一枚絵です!水滴の描き方に「境界効果」を活用してビビットなラインを入れたり水滴の透明感を強めたり、服にテクスチャを加えて画面に統一感を出したり、派手な色でうるさくなりがちなイラストにまとまりとコントラストを絶妙な匙加減で出す方法を披露してくださいました!デジタルイラストのレベルを上げたい方は、「境界効果」や「色収差」のテクニックを取り入れてみてもいいかもしれません。



今回は特別コラムとして「グッズ制作レポート」のコーナーもあり、さくしゃ2先生、みひろ先生、お天気屋先生がレポートしてくださいました!メーカーさんや印刷所さんによって作れるグッズの強みが変わるらしく、それぞれの用途に応じてオススメの印刷所さんを伝授してくださいます!これからイラストを使ってグッズを作られる方は必見かもしれません…!



がらくたおつむ先生の「人体講座」コーナーでは少年から老人までの様々な年代の男性の肉体の描き方やデッサンのポイントを伝授してくださいます。骨格の描き方の違いや手や顔のしわの描き分け方まで細かくポイントを紹介してくれるので、様々な男性キャラを描きたい方は是非真似てみてください!


SS学園も今回新しい選抜メンバー團八、夜、ゆいの(香琳先生、くりゅう先生、ぷぅ先生執筆)3名が加わり盛り上がりを見せております!他所のお宅からの生徒さんもぞくぞく入学してきましたので、生徒が増えてより騒がしくなりそうです…!


そしてとじ込み付録はsakiyama先生の画集『解毒 sakiyama Artworks』より厳選したSSスペシャルブックレット!影がありダークで退廃的な世界観でありながら指先やキャラクターの視線からどこからか繊細さも伝わってくる、そんなsakiyama先生の魅力が詰まった一枚です。ブックレットには書籍の案内も載っておりますので、興味を持たれた方は、本物の画集も味わってみてはいかがでしょうか。




続いて掲載告知について!


投稿コーナー「Sky S」「Sea S」はやはり夏シーズンだからなのか涼しげな装いのキャラクターのイラストが多く見受けられます。テーマも「王子様・お姫様」なので、立派なお城やメルヘンチックな世界観、きらびやかな装飾を身にまとったプリンス、プリンセス創作キャラが盛沢山です!


今回カラーイラスト投稿コーナー「Sky S テーマ(王子様・お姫様)」にて御伽話「一寸法師」「親指姫」「鉢担ぎ姫」の三作品をクロスオーバーさせたデジタルイラストを、「Sea S Select」ではサン・デグジュペリ著の「星の王子様」をテーマにしたモノクロイラストを6分の1ページ掲載させて頂きました!ありがとうございました!



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「Sky S」のイラストの方は子供の頃から愛読していた大好きな絵本がきっかけです。親指姫が昆虫や爬虫類などが自分よりも体が大きくて不気味に映ったり一寸法師がお椀や裁縫張りを駆使して冒険したり鉢担ぎ姫の初瀬が鉢をかむるコンプレックスに苛まれたり、普通の人間とは少し変わった特徴の主人公たちの非日常な冒険譚の入った物語が好きだったので、一度ちっちゃいもの同士で邂逅させたい思いが強くなり一枚絵に収めました。動物たちのディフォルメも描いてて楽しかったです。


「Sea S」の方は、「星の王子様」は元々王子様が様々な惑星を旅するお話ですがここでは薔薇に自分の出会った惑星での出会いや出来事を話すというイメージにしたかったためここでは一つの惑星に色んな異星人がいる、というコンセプトにしました。久々に点描を手描きしたりバオバブの樹の配置を考えたりや惑星トーンや黒モヤトーンをふんだんにベタベタ貼っていくのが楽しかった思い出があります。


今回「Sky S」も「Sea S」もテーマは「王子様・お姫様」でしたが、自分の中だと王子や姫は童話や御伽噺のファンタジーな世界の架空の登場人物というイメージが強かったので、どちらも世界の名作から題材を得た印象が強かったです。今度また同じテーマが出てきたら、今度は自分でオリジナルの王子様やお姫様を登場させてみたいです。






さて!次回のテーマはなんと「ハロウィン」!発売が10月中頃なのでタイムリーなテーマですね!お菓子やダークな仮装キャラでページが埋まりそうですが投稿者の皆様のイラストによって一枚一枚イメージがガラッと変わりそうですね!今から拝むのが楽しみです…!



次回も投稿する気なので進捗をチラッと。今度はフリーとテーマ、カラーとモノクロ、アナログとデジタル全て両方挑戦するので史上過去最多の枚数!これまでよりもハードな締め切りとの戦いになるのでスケジュールに気を付けつつ、執筆していきたいと思います。


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そして本誌でも告知されておりましたが、スモールエスのデザインフェスタギャラリーが東京・原宿にて7月28日より開催されました!


8月6日(日)まで開催されるとのことなので、今回私も8月1日に突撃する予定です!一体どんな展示がなされているのか、今からドキドキです。次回のブログ更新は、そちらの感想レポートになるかと……!



二度目になりますが、水分・塩分・睡眠をしっかりとって、対策に熱中症対策に十分気をつけて、臨んでいきたいと思います!



それでは、また次回!






2023.07.30 削木







 
 
 

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©2020.06.01 削木

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