季刊エスVol.86読了&掲載告知と『Beautifl3』展参加のお知らせ
- 削木
- 2024年7月4日
- 読了時間: 6分
こんにちは、ついに一年の半分が終わってしまいましたが身体はまだ夏に追い付いていない管理人の削木です。
梅雨入りしたと思ったらあっという間に梅雨明けしてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
遅くなりましたが、季刊エス読了Vol.86感想と掲載告知です!相変わらずの遅筆で申し訳ございません…!
今回のピンナップの表紙は『ブルーピリオド』の作者の山口つばさ先生!以前季刊エスでも山口先生はインタビューに出ておりましたが今回は更にキャラクターの造形とストーリーに踏み込んだところに関して特集が組まれております。

今回の表紙は青が目を引く背景に洒落たピンクのスーツに身を包んだ主人公・八虎が目印です。なんでも元ネタがあり、アメリカの画家ジル・エルブグレンによるピンナップガールのパロディなのだそう。今回はアクリル絵の具や透明水彩、リキテックスを駆使して描かれており、二日間に渡る密着メイキング取材だったとのことです!丁寧な下描きの転写から下塗り、服のシワの盛り方まで筆さばきの違いに注目したいメイキングとなっております。
キャラクターの名前の由来にも色んな法則が隠されていたり、美術業界について描いてみたいけどまだまだ道のりが遠かったり、油彩画は案外絵具が化学の世界で悪戦苦闘したり……『ブルーピリオド』の世界にリンクする絵を描くことの葛藤や苦悩、面白さをインタビューで語ってくれました。特に油彩画は科学の世界というのは個人的に大いに共感しました!自分も学生時代に油彩画を沢山描いていたので油や顔料の分量の違いであたふたして焦った記憶があるので…!より、ファインアートの創作という閉じられた、だけどアカデミックな分野の芸術活動について今後の展開の舞台背景や先生ご自身の経験について焦点が当てられたインタビューでした。
メイキングは山口つばさ先生だけにあらず他の作家様も見どころ満載です!白浜鴎先生のつけペンメイキングの精緻な線の技巧、去年イラコン「COMICUP×Smagazine」で金賞を受賞したillumiさんの緩やかに落ち散らばる草花と髪の毛の軽やかな動きが女性の憂い顔を引き立てる繊細な線と柔らかな光と細かい刺繍の表現、旧都なぎ先生のエフェメールの動画制作におけるアイディアスケッチと設定画の数とその熱量、ななみりおさんのコピックの滲みをふんだんに生かした柔らかさと立体感のある美人画、かずちこさんのアクリルによるくすんだ低彩度の色に高彩度の色をアクセントとして合わせることで光を感じさせるトーンオントーンのテクニック……どの作家様のメイキングにも、制作意欲をくすぐられるものがあります!
昨年のペンタブアートで銀賞を受賞したsamanthaさんによるメイキングも紹介されております!マントの重い布の影やシワの入れ方、星や動植物の散らばった装飾的な画面作り、金属の光沢、様々なブラシを使った質感表現が目を張る制作工程となっております…!
七神マナ先生の水彩絵具メーカー、クサカベの工場見学レポートも面白かったです!絵具を混ぜる工程からチューブに入れ、ラベルを貼って商品として売られる過程まで丁寧に解説されております。実際に絵具作りを手作業でする体験談も書かれており、絵具の顔料を擦って
混ぜる課程は必見です。
様々な絵師さんによるピンナップイラストも是非拝んでみてください。特に私のお気に入りは天晴さんのアクリルガッシュの「架け橋」。能面を身に着け日本刀を構えた女の子の凛々しいいで立ちと朱色が美しい一枚絵です。
さて、ここからは掲載告知!「StarS」のイラストは今回も力作ぞろいですが、今号の季節が夏だからなのか草木生い茂る緑を活かしたイラストが多くみられたように感じました。もちろん緑以外に爽やかな青や明るい黄色、甘いピンクを中心にした作品も沢山見られました!
私の作品も掲載させて頂きました!デジタルイラスト『6月の死神』のイラストを掲載させて頂きました!ありがとうございます!!


コメントにカマキリのモチーフ取り上げてもらったのとても嬉しいです…!!背景に「勿忘草(わすれなぐさ)」「菖蒲(あやめ)」「ホタルブクロ」を取り入れましたが、6月の花は紫陽花以外に青や白や紫に綺麗な花が多いのだなと気づかされました。語感も「勿忘草(わすれなぐさ)」の花言葉「私を忘れないで」、「菖蒲(あやめ)」「あやめ」→「殺め」、「ホタルブクロ」→蛍→儚い命の連想が死神のイメージに結びついて、描いてて楽しかったです。編集さんがカマキリモチーフの鎌に気付いてくださったことに感激…!翅と宝石の装飾的な煌めきと造形はデザインの段階で苦戦したので思い入れが強いです。カマキリの前足って、どこか曲線が美しくて祈りをささげるポーズのような虫とも言われているので私は結構好きです。
モノクロイラストコーナー「SpaceS」のコーナーにも「PLUM RAIN」も載せて頂きました!ありがとうございます…!


紫陽花と背景のドロップ柄で湿気を表現したかったのが趣旨です。「PLUM RAIN」、直訳すると「梅雨」ですが実際の「梅雨」の英訳はRainy seasonだそうです。梅の木っぽいものも添えましたが、カラーだったら緑に黒や紫が入ってもっと映えたかなとも思いました。てるてる坊主やレインコートなど、レイングッズはおしゃれなものが多いので機会があればまた描きたいです。
イラストは本サイトのGALLERYのコーナーでも拝むことができますのでよろしくお願いします!
ここで話題は変わりますが今回また大阪の画廊「GalleryIYN」さんの元で展示させて頂くことになりました!
副題は『Beautifl3』展!美しい風景、人物、静物……様々な自分の美しいと感じたものを平面アートに描き起こす展示であり、今回会期は明日7月5日から、最終日は7月14日です!
ここで展覧会の詳細についてお知らせしたいと思います。
■タイトル
グループ展『Beautiful3』展
■日時
2024年7月5日~7月14日
■会場
大阪府中崎町・『Gallery IYN 』
■開廊時刻
午前11時~午後18時
Gallery IYN さんのHPでも告知されておりますので、よろしければご覧くださいませ!
朝顔が爽やかなメインビジュアルは、なつき明希さんが担当されています!
リンクはこちらです!→『Beautiful3』展告知ページ
今回私が出展するのは、「ラムネ~炎天下~」「ラムネ~熱帯夜~」の計2点です。GALLERYのコーナーでもイラストを見ることができますのでよろしくお願いします。


せっかくなので額装した作品をここで公開!額装したものは少し周りが隠れてますが、一枚の写真のように見立ててみたので展示会場でお見掛けしましたら夏の思い出のように拝んで頂けたら幸いです…!


そして今回もドローイング3点販売します!
サイズは75㎝×75㎝のマメ色紙、アルビレオ水彩紙に挑戦して描きました!7月ということで、左から順に鬼灯、七夕、金魚の夏の風物詩をテーマに描かせて頂きました。お手に取って頂ければ幸いでございます。




どんな風に飾られてるかは後日「Beautifl3」展のレポートでお話したいと思います!
前回は行けなかった画廊さんにも再挑戦して行ってみたいと思いますので…!
うだるような暑さと湿気で大変だとは思いますが、皆様熱中症にお気をつけて、水分塩分まめにとってご自愛くださいませ。
では、また!
2024.07.04 削木
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